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ツーリング

サルデーニャ島を巡るバイク旅|島を一周する10日間のオフロードライディング

公開日:2026年2月7日
執筆者:ダイネーゼAGVジャパン編集部
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Carlo Pettinato

著者

Carlo Pettinato(30歳)。2017年からDaineseでマーケティングに携わっています。エンジンの有無を問わず、車輪の付いたスポーツに情熱を注いでいますが、できればブロックタイヤが理想です。物心ついた頃から、エンデューロ、マウンテンバイク、ラリーに親しんできました。サーキットでの年月を経て、オフロードの相棒として古いHonda Africa Twinを手に入れました。
そこから、より広く、より色彩豊かな探検の世界が目の前に開けました。身近でありながら荒々しい土地、サルデーニャ島から旅立ち、今は砂漠の砂丘に思いを馳せています。

バイクと一緒にフェリーに乗り込む日は、いつだって良い一日です。そして地中海で最も美しい島が目的地なら、なおさらです。甲板通路利用のチケットは、眠れぬ夜の末、海から昇る朝日を眺めるための代償のようなもの。船内放送で繰り返される「接岸予定時刻は……」というアナウンスに、何度も目を覚まされながら。

夜明けのピンク色の光に照らされるオルビア港沖の小島群を見れば、疲れや頭痛も吹き飛びます。下船すれば、まったく新しい大地が待っていることを私たちは知っています。友人5人と、おおまかなルート。
テントと寝袋を積んだバイク。確かなのは、10日後の帰りのフェリーチケットだけです。

サルデーニャ島を巡る10日間のオフロード行程

サルデーニャ島に上陸し、朝食を済ませたら最初の目的地はオルビアから西へ60km足らずのテンピオ・パウザニアとリンバラ山です。国道SS392から県道51号に入り、ヘアピンカーブを抜けながら標高約1,400mの山頂を目指します。
旧NATO基地の少し手前、約8km進んだところでアスファルトは終わり、私たちは有名なTET(トランス・ユーロ・トレイル)へと入ります。これは大陸全土を横断する、マキシエンデューロに理想的なトレイルネットワークです。そして、新しい世界が広がります。

ブロックタイヤでなければ辿り着けない、色彩、香り、そして隠れた眺望の世界。風景はアルプスの峠と地中海の低木林を行き来し、舗装路を離れたばかりとは思えないほど、私たちを本物の探検家にしてくれます。

ベルキッダの村が、最初の本格的な休憩地点です。背景にはコッギナスの人工湖が広がります。時刻は正午ですが、まだ今夜の目的地は決めていません。オロゼイを選び、思い切ってB&Bを2部屋予約します。
冒険心は少し脇に置いておきました。これは休暇ですし、過酷な“甲板通路”の疲れもまだ残っています。

サルデーニャの壮大なダートロードで一日中砂埃を浴びたあと、サンタ・マリア・リゾートとそのプールは蜃気楼のように現れます。

スプラモンテ:オリエーナからオルゴーゾロへ

オリエーナの町を出てすぐ、長く曲がりくねったラバ道がコラッシ山の台地へと続き、次第に厳しい登りになります。緩い石の上でマキシエンデューロを走らせるのは簡単ではなく、適切なタイヤがなければなおさらです。
それでも、頂上からの景色は不安と労力を補って余りあります。十分なオフロード経験者向けのルートです。そうでない場合は、ヒイラギガシや古いコルクガシに囲まれた、無理のないところまでをおすすめします。

次の目的地は、壁画で世界的に知られるオルゴーゾロです。ここからトレイルは南へ続きます。アルバタクスまで進み、有名な崩落橋付近でアルト・フルメンドーザ川を渡り、バウ・ムッジェリスの人工湖へ近づきます。
赤い岩が広場を記念碑のように迎えてくれますが、立ち止まるのはほんの一瞬。今夜の最終目的地はまだ先で、テントが私たちを待っています。

アルバタクスのビーチで迎える夜

日が沈みかけ、空はオレンジとピンクに染まり、私たちが望むのは海に飛び込むことだけ。最初に見つけたビーチバーに立ち寄り、閉店準備中のスタッフと少し言葉を交わすと、ティレニア海は私たちだけのものになります。
しかし、ひと泳ぎ以上の楽しみ方があるとしたら?

例えば、海辺で一晩過ごすこと。しかも無料で。必要なのは、お願いすることだけです。サルデーニャの人々はとても親切で、笑顔ひとつで家族のように迎えてくれます。
恐る恐るテントを張らせてもらえないかと相談すると、夕食を作るために店を開けてくれるだけでなく、翌朝まで使えるよう店の鍵まで預けてくれました。

波の音で目覚める朝は夢のようです。6月のここは楽園そのもので、観光客も少なく静かです。半日休むのが最低限だと感じるほど。何しろ休暇なのですから。

海岸沿いのオフロード:アルバタクスからヴィッラシミウスへ

目覚めたのは午後になってからでした。ルートはさらに南、ヴィッラシミウスへ向かいます。アルバタクスから約50kmの地点で、サルデーニャの海岸の一角に100年前に建設された鉱石積み出し用の小さな港、ポルト・サントルの壮観な景色が広がります。
ここから次のオフロード区間が始まります。200kgを超えるバイクでは簡単ではありませんが、見逃すわけにはいきません。エメラルド色の海を見下ろす断崖沿いを進みますが、露出や危険はありません。地中海の低木林と海の間を、10km以上にわたってうねる、稀有な美しさのトラックです。

次の目印は、アルツァーナ市域にあるトッレ・ムルタス。おそらく18世紀末に、海からの脅威に備えて建てられた要塞です。

ポルト・ピーノの白い砂丘

カリアリを過ぎると、次の目的地はポルト・ピーノとイザレーナス・ビアンカスの砂丘です。海のすぐそばに広がる、風に削られた白砂の山々。
このエリアはヨーロッパで2番目に大きい軍事区域であるカーポ・テウラーダ基地内にあり、夏季のみ立ち入りが許可されています。それ以外の期間は、軍の射撃訓練のため立ち入りできません。

ポルト・ピーノでは、客の目の前で魚をフランベする演出で知られる「ラ・バルケッタ」のレストランがおすすめです。走りと海景色に満ちた一日の締めくくりとして、これ以上のものはないでしょう。

オリオリになりきって:モンテヴェッキオからピシーナスへ

景観という点ではアルバタクス南の断崖トレイルが最高ですが、純粋なオフロード走行の醍醐味はモンテヴェッキオからピシーナスのビーチへ下る区間にあります。
モンテヴェッキオは30年前に閉鎖された古い鉱山で、今も良好な状態で保存されています。まるでゴーストタウンを横切っているかのようで、実際その通りです。必見の場所です。

中心部からは難易度の異なる2つのルートを選べます。SP66は幅の広いダートロードで、ロードタイヤでも容易に走行可能です。特別なライディング技術は不要で、海までスムーズに下れます(イングルトス鉱山とナラカウリ鉱山を過ぎたらSP4へ)。
ただし、難しさを求める人向けではありません。

同じ方向へ進みつつ、モンテヴェッキオの売店から約50m先で右折すると、下りのラバ道に入れます。これは高いオフロード技術を持ち、特にツインエンジン車に乗る人向けです。
最初の数百メートルに惑わされないでください。1〜2kmで道は一気に狭くなります。谷底に下りると、砂と石が混在する壮観なトラックに変わります。何度も渡渉があり、鉄分を多く含む地層の影響で、リオ・ピシーナス川が鮮やかなオレンジ色に染まっているのが印象的です。

最後の区間は川床そのものを走ります。砂、石、そして錆色の水が混ざり合う道です。視界が開け、路面もそれほど荒れていないため、ここが一番楽しい区間でした。
私たちは皆、エディ・オリオリやフランコ・ピッコになった気分で、舗装路に戻るともう一周したくなるほどでした。

ピシーナスの砂丘(必見)からポルトゥ・マーガへと海岸線を上るSP4は、圧巻の一言です。豪雨でない限り、特別な労力は必要ありません。
ただし数カ所の渡渉があります。水位が高い場合は注意が必要で、不可能ではありませんが、状況が悪いと誰にでもおすすめできるわけではありません。

漁村マルチェッディのアサリ料理

フルメントルジュの塔もまた印象的な建造物で、16世紀に海賊の襲来を警戒するための見張り台として建てられました。トッレ・デイ・コルサーリのビーチ上部に広がる砂丘が、美しい背景を完成させます。どこを見ればいいのか分からないほどです。

昼食の目的地は、マルチェッディの「リストランテ・ダ・ルーチョ」以外に考えられません。マルチェッディは19世紀の絵画から抜け出したような漁村で、低い平屋建ての家々と未舗装の路地が家の間を縫うように続きます。
魚介好きなら、“アルセッレ”と呼ばれるアサリに似た貝料理をぜひ味わってください。海からほんの数メートルの場所で食べる一皿です。朝にその貝を獲った漁師が、隣の席に座っていることも珍しくありません。

文明圏へ戻る:アルゲーロを目指して

SP49ボーザ〜アルゲーロ線はSP105へと変わり、サルデーニャの海岸線に沿って45km続く完璧なアスファルトのリボンです。北へ戻る途中、ハードコアなオフロード派にとっても理想的な道です。
断崖を上り下りしながら、常に海が視界に入ります。五感が喜ぶひとときです。

マキシエンデューロでのオフロード旅に、サルデーニャ以上の場所があるでしょうか。滑らかな舗装路、ラバ道、グラベル、地中海の低木林、そして背後に海を望むアルプス的な景観。
一度訪れれば恋に落ち、再訪すれば抜け出せなくなります。

夏のサルデーニャ・ツーリングに理想的なバイク装備

島を存分に楽しむには、舗装路だけにとどまるべきではありません。オフロードこそが、バイクなしではGoogleマップでしか見られない場所へ連れて行ってくれます。そのため、ブロックタイヤは必須です。
トレッドがアグレッシブであるほどトラブルは減り、トレイル走行もリラックスできます。21インチのフロントホイールを備えたバイクなら、なお理想的です。

6月から8月にかけて、一部地域では気温が40℃に達することもあります。そのため、通気性に優れた夏用装備が強く推奨されます。
また、突然の雨や夕方以降の走行に備えて、防水ジャケットを1着持っておくと安心です。気温が15℃以上下がることもあります。ハイドレーションバッグ付きのバックパックは、暑さに弱い人や水分摂取量が多い人にとって心強い味方です。いつでも水分補給できることは、脱水のリスクを大きく減らし、安全性を高めます。

オフロード志向が強いほど、プロテクション性能の高いブーツが重要になります。テクニカルなアドベンチャーブーツや純粋なオフロードブーツは、休暇向きとは言えないかもしれませんが、200kgを超えるバイクを石の上で支える場面では、そのありがたみを実感するはずです。

夏のサルデーニャ・ツーリングに理想的なバイク装備

携行する荷物の量は、旅の期間によって異なります。サイドパニアは車体の幅を増し、藪の中では不向きなため、ラックに固定できる柔らかく容量の大きいバッグがおすすめです。
固定の際は注意が必要で、ネットは便利ですが十分とは言えません。私たちは必要と思うだけのストラップを使います。走行中の衝撃を甘く見てはいけません。朝に5分余分にかけてしっかり固定する方が、途中で荷物を直すために停車するよりずっと良いのです。

小型から中型のタンクバッグは、財布やカメラなど頻繁に使う物を収納するのに最適です。大型タンクバッグは容量面では便利ですが、スタンディングで走る際には邪魔になることがあります。

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ダイネーゼAGVジャパン編集部

ダイネーゼAGVジャパン編集部は、イタリア発のモーターサイクルウェアブランド「Dainese(ダイネーゼ)」およびヘルメットブランド「AGV(エージーブイ)」の日本正規輸入元として、製品情報・アスリートのインタビュー・ブランドの今を発信する編集チーム。 ビギナーからエキスパートまで、ライダーの安全性を最優先にした情報提供を行っています。

2026年2月7日公開
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