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AGVストーリーズ

バレンティーノ・ロッシの歴代ヘルメット全記録|AGVと歩んだ26年の進化

公開日:2026年2月7日
執筆者:ダイネーゼAGVジャパン編集部

バレンティーノ・ロッシは、これまでのどのプロライダーよりも、自身のヘルメットのシェルを真っ白なキャンバスのように扱ってきました。レースのたびに、勝利やタイトルを祝ったり、感情を独自の形で表現したりする場として使ってきたのです。
1996年に世界選手権デビューを果たして以来、ロッシの頭には数多くのAGVモデルが載せられてきました。モデルは年々進化し、グラフィックも常に新しいものでした。背番号46は、実に多彩なデザインとともにレースを戦ってきたのです。

ここでは、ヴァレのヘルメットの歴史を、初期から現在に至るまで振り返っていきます。

AGV Q3 Pro(1996-1998)

これはロッシ時代の幕開けを告げる最初のヘルメットであり、ドクターの忘れがたい最初のSoleluna(太陽と月)グラフィックが登場しました。AGV Q3 Pro(Professional)は、Q3をベースに開発されたモデルで、そのQ3自体も、ウェイン・レイニーとともに開発されたQuasarを起点としています。
フロントには涙滴形状のエアインテークを、トップにはエアエクストラクターを新たに採用しました。シェルはカーボンファイバー、アラミド繊維、グラスファイバーの複合素材です。このヘルメットは、1996年の初勝利、そして1997年の初世界タイトルまで、バレンティーノとともに歩みました。数多く生まれるSolelunaバージョンの最初の1つに加え、1997年鈴鹿のスペシャルグラフィックも印象に残っています。

AGV X-Vent(1998-2002)

250ccクラスでのデビュー、2度目の世界タイトル獲得、最高峰500ccクラスへのステップアップ、そしてMotoGP™への移行。これらの節目を、バレンティーノはQ3をベースに開発されたAGV X-Ventとともに駆け抜けました。
この新型ヘルメットは、複合繊維、カーボン、グラスファイバーで構成されています。シェル上部に配された大型エアベンチレーションと、背面へと伸びる2本の通気チャンネルが、ひと目でそれと分かる特徴です。

X-Ventに施された数多くのスペシャルデザインの中でも、1998年イモラ、1999年の2度目の世界タイトル獲得時のヘルメット、不運に終わった2001年ムジェロ、2002年ムジェロ、そして4度目の世界王者を決めた2002年リオのレインボーグラフィックは、特に印象的です。

AGV Ti-Tech(2003-2007)

AGV Ti-Techは、2003年から2005年にかけて、ロッシが世界選手権を完全に支配したシーズンに寄り添った、完全新設計のヘルメットです。ホンダでの最後の時期、そしてヤマハ移籍初期を支えました。
アラミド繊維とカーボンによる複合素材シェルを採用し、シェル開口部においても最大限の安全性を確保するため、初めて金属製(チタン)のエアベンチレーションを導入しています。シールドには、工具不要で交換可能なXQRS(Extra Quick Release System)を装備しました。

忘れがたいグラフィックとしては、2003年バレンシアのフラワーデザイン、2004年ムジェロの“木目”ヘルメット、同年の6度目のタイトルを祝う「Che spettacolo(なんて素晴らしいんだ)」があります。
さらに、2005年のラグナ・セカとバレンシアでの祝賀デザイン、同じく2005年セパンでの7度目の世界タイトル獲得時のヘルメットも記憶に残ります。

AGV GP-Tech(2008-2011)

GP-Techは、バレンティーノがMotoGP™タイトルを奪還した2008年に登場しました。デザインは、従来モデルから完全に刷新されています。
SSL(Super Super Light)シェルは、グラスファイバー、カーボン、アラミド繊維で構成され、高速走行時に伏せていない姿勢でも安定性を高めるため、後部が長く伸びた形状を採用しました。エアベンチレーションはシェルのプロファイルおよび異なる密度を持つEPSに統合されています。GP-Techは、Ti-Techから引き継いだ工具不要のXQRSシールド交換システムを備えています。

グラフィックのスタイルも一新され、革新的なSolelunaバージョンが登場しました。中でも象徴的なのは、2008年ムジェロでのヴァレの顔を描いたヘルメット、2009年セパンで9度目の世界タイトルを祝った金の卵を産むニワトリ、2010年ラグナ・セカのFacesグラフィックです。
さらに、ドゥカティ時代初期のヘルメットや、2011年バレンシアでのマルコ・シモンチェリへのトリビュートも忘れられません。

AGV Pista GP(2012-2015)

革新的なAGV Pista GPの初代モデルは2012年に登場しました。新たな安全性と空力性能の概念を導入した、画期的なヘルメットです。
シェルはフルカーボン製で、風洞実験によって形状が開発されました。リアスポイラーを初めて採用し、マシンのカウルとスーツのハンプとの一体化を高めています。

セパンでのウインターテストでは、カーボンブラックのグラフィックでヴァレの頭に載り、その後、2013年にドクターのカラーリングへと進化しました。
2013年ミサノのWishヘルメットは、親友シモンチェリへの追悼として忘れがたい存在です。翌年には「Misano ci dà una mano(ミサノが力を貸してくれる)」が登場し、再び母国サーキットで表彰台の頂点に立ちました。

AGV Pista GP R(2016-2017)

新型Pista GP Rは2016年に登場し、空力性能を高めるための改良が施されました。中でも際立つのが、従来よりも高度で複雑なBiplanoスポイラーです。
これにより空気抵抗係数がさらに改善されました。また、チンガードのエアベンチレーションには2つのダクトが追加され、レーシングポジションでのヘルメット内部へのエアフローが最適化されています。

特に印象的なカラーリングとしては、新しいSoleluna 2016、Mugiallo、2016年ムジェロ、同年のSweet home Misanoが挙げられます。

AGV Pista GP RR(2018-2021)

最新かつ最も先進的なPista GP RRは、2018年に登場しました。さらなる空力の微調整が施され、空気抵抗の低減が図られています。
新しいPro SpoilerがBiplanoに代わって採用され、高速域での性能と安定性が一段と向上しました。2019年からMotoGP™ではFIM公認が必須となりましたが、Pista GP RRの市販モデルは、レーシング用の改造を施すことなく、この新しい安全基準に適合しています。さらに、チタン製ダブルDリング留め具と、360° Adaptive Fitによるカスタマイズ可能な内装クラウンも導入されました。

続いて登場したのは、Soleluna 2018の新グラフィック、2018年と2019年ムジェロGPのイタリアン・トリコロール、非常にカラフルな2019年ウインターテスト仕様です。
そして2021年には、そのシーズン最後のヘルメットとともに、バレンティーノの第一子誕生を間近に控えたことを祝う、ピンクのリボンをあしらったヘルメットが登場しました。

26シーズンにわたって、AGVのさまざまなシェルには、ほぼ100種類に及ぶカラースキームが施されてきました。このビジュアル言語は、チャンピオンとともに進化し、過去のすべてのプロライダー、そしておそらく現在や未来のライダーとも一線を画す存在となっています。

Che spettacolo。本当にありがとう、ヴァレ。

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ダイネーゼAGVジャパン編集部

ダイネーゼAGVジャパン編集部は、イタリア発のモーターサイクルウェアブランド「Dainese(ダイネーゼ)」およびヘルメットブランド「AGV(エージーブイ)」の日本正規輸入元として、製品情報・アスリートのインタビュー・ブランドの今を発信する編集チーム。 ビギナーからエキスパートまで、ライダーの安全性を最優先にした情報提供を行っています。

2026年2月7日公開
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