2020.11.24

なぜダイネーゼは、ブーツをスーツの中にいれるのか?

1972年以来、ダイネーゼはモーターサイクルをはじめとするダイナミックなスポーツの安全性向上に取り組んできました。

その研究の中で、プロのライダーが着用するすべてのパーツは、お互いのパーツと相乗効果を発揮するように設計されることで、より高い保護効果が得られることを学びました。
ヘルメットとハンプ(背中のコブ)の風洞実験は、まさにその一例です。

完全なプロテクションシステムを開発するにあたり、ダイネーゼは足と、足首の部分にも注意を払ってきました。1997年には、スーツの中に装着するブーツを初めて発表しました。

しかし、なぜあえて複雑な構造にして、ブーツの概念を覆すのでしょうか?ただルックスを目的としているわけではないことは確かです。

ブーツは長年研究されてきた技術の集積であり、その技術力は、他のアイテムと比べても決して劣るものではありません。
ブーツ・インシステムの利点は、些細なことではありません。ライダーに提供できる最高のパフォーマンスのため、完璧さを追求しています。

パッシブ&アクティブセーフティ

アクティブセーフティとパッシブセーフティの違いは、見落とされがちな基本的な概念です。

従来のプロテクターは、パッシブセーフティ、つまり衝撃からの保護のみを提供します。

しかし、衝撃の発生を防ぐことはできません。

ライダーに対する衝撃を回避したり、ダメージを制限したりすることができる安全能力は、「アクティブセーフティ」と呼ばれています。

もちろん、これを実現するのは難しい事ですが、ダイネーゼは、この目標を達成するために、人間工学、軽さ、動きの自由度という基本的な側面に焦点を当てています。

ダイネーゼのブーツ・インシステムでは、スーツとブーツは大きなベルクロで連結され、しっかりと固定されます。
この強固な固定により、アウトブーツ(※ここでは、ブーツが外、裾が中の一般的なブーツを指します)では実現できない安全性と安定性を実現しています。

独自の歪み制御システムを備えたブーツとスーツの間のインテグレーションは、足首のねじれを制限し、比類のない正確なライディングを可能にします。

スーツとブーツが一体となって機能するように設計・開発されており、従来のシステムと比較して、ライダーにより高レベルな安全性を提供しています。

事故を防ぐブーツ

これまで述べてきたように、アクティブセーフティの実現は、難しいものです。痛みを伴う怪我を未然に防ぐためには、状況にとらわれない発想力と革新性が求められます。

ブーツインのプロテクションシステムは、このような目標を念頭に置いて生まれました。

市場に出回っているブーツの多くは、蛍光色や大きくはっきりとしたロゴなどの美意識が重視されています。

スタイルは主観的に判断することができますが、一つ確かなことは、アウトブーツは外部の障害物に引っかかったり、バイクの部品にぶつかる可能性がある、多くの突起物がついているということです。ファスナーをはじめとした様々なパーツは、望まない物を引っ掛けてしまったりするのです。

これらのリスクを回避するために、スーツとブーツを一体化させたのがダイネーゼの狙いの一つです。

ブーツを覆うスーツであれば、転倒の有無に関わらず、ライディング中に靴が開いてしまう可能性を排除することができます。

留め具やジッパーが露出していないため、自分のバイクや他のライダーのバイクなど、外部のものに引っかかる可能性が非常に低くなります。

このような望まない事故の発生を防ぐために、一体型のダイネーゼシステムが設計されています。

怪我を減らすには?衝撃のスピードを落とす事について。

90年代後半、ダイネーゼは足や足首の怪我を大幅に減らすことができるブーツの開発に取り組んでいました。

開発に貢献したのは、2000年の250世界チャンピオン、オリビエ・ジャック。このフランス人選手は足首の問題に悩まされることが多く、この分野でのサポートの必要性をいち早く感じていました。

スーツとブーツを一体化することで、より軽量でテーパードのある組み合わせが可能になりました。また、ブーツの重量は、人が考えるよりもはるかに重要です。ブーツインシステムの開発において、ダイネーゼは、驚くほどの軽量さを実現しました。

重量を減らすることで、特にライダーが空中に放り投げだされるハイサイドのあいだ、落下中の足にかかる遠心力を低減させることができるのです。、。遠心力が少ないということは、スピードが少ないということであり、地面への激しい衝撃が少ないというメリットがあります。さらに軽量なブーツは、サーキットでの長いセッションにおける疲労が少ないのです。

バレンティーノ・ロッシはこれを"スニーカーを履いているようなものだ"と表現しています。

だからこそ、足でも手でも、軽さがダメージを抑える上で非常に重要なのです。

最大のパフォーマンスを紹介

スーツの下のスリムな脚は、エアロダイナミクスの観点から、バイクのカウルとぴたりとマッチします。ダイネーゼのブーツに見られるディテールへのこだわりは、ファスナーを後ろに移動させたことです。このソリューションにより、ブーツの内側が滑らかに動くようになり、バイクとのコンタクトが最適化され、ライディング時のフィーリングが向上しました。

スーツとブーツを一体化させるシステムは、20年以上前にダイネーゼが導入した、革新的なソリューションです。

このシステムは、完全なプロテクションを求めるにあたり必要な、"シナジー"のわかりやすい例と言えるでしょう。スーツとブーツ。ウェアを単に組み合わせるのではなく、お互いを統合するときに、最高の効果を発揮するのです。

こうして初めて、個々のパーツの足し算以上の価値が生まれるのです。