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マルコ・ベッツェッキのレーシングスーツ|MotoGP™で使われるDainese Mugello RR D-air®の全貌

公開日:2026年2月7日
執筆者:ダイネーゼAGVジャパン編集部
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マルコ・ベッツェッキは2017年にMoto3クラスで公式デビューを果たし、2022年からはMotoGP™のプロフェッショナルライダーとして活躍しています。1998年にリミニで生まれた彼は、もはや夢を見る段階ではなく、素晴らしいキャリアを実際に歩んでいます。

下位クラスで着実にスピードと勝利を重ね、2018年のMoto3では3勝を挙げ、年間ランキング3位を獲得しました。これに加え、2020年から2021年のMoto2でもランキング3位と4位に入るなど、数々の成功を収めています。2022年に最高峰クラスへ参戦し、序盤の数戦を経て表彰台を獲得。翌年はさらに飛躍し、シーズン序盤から最速ライダーの一人として存在感を示し、第2戦で優勝を飾りました。

マルコ・ベッツェッキは世界選手権参戦当初からDaineseのプロフェッショナルライダーです。ここでは、彼が2022年シーズンに着用したレーシングスーツを紹介します。

ベースモデルはMugello RR D-air®で、現在のモーターサイクルレーシング用プロテクションにおいて最高峰に位置づけられるモデルです。マルコ・ベッツェッキや他のMotoGP™ライダーが着用するMugello RR D-air®は、市販モデルと同一の技術的特徴を備えつつ、ライダー一人ひとりに合わせたテーラーメイド仕様となっています。

これにより、完璧なフィット感を実現すると同時に、すべてのプロテクターが最適な位置で最大限の効果を発揮します。

マルコ・ベッツェッキが着用するDainese Mugello RR D-air®レーシングスーツ

Dainese D-air® エアバッグシステム

マルコ・ベッツェッキのDainese Mugello RR D-air®レーシングスーツを特徴づける、最も先進的な保護装置がD-air®電子制御エアバッグシステムです。2007年にDaineseがサーキットに導入したこの電子エアバッグは、モーターサイクルレーシングにおけるプロテクションの概念を一変させました。

2018年シーズン以降、すべてのプロフェッショナルライダーに装着が義務付けられています。軽量でスーツに完全に統合されており、作動する瞬間までほとんど存在を感じさせません。必要なときには即座に展開し、肩と鎖骨を保護するエアシールドを形成します。

このシステムは、電子制御の「頭脳」とエアバッグの組み合わせによって機能します。前者は多数のセンサーと、20年以上にわたって開発されたアルゴリズムを用い、ライダーの動きを毎秒1,000回の頻度で検知・解析します。

これにより、転倒の初期動作を自律的に認識し、必要と判断された場合には、実際に転倒が起こる前の段階でエアバッグを膨張させる信号を送ります。

エアバッグ本体は、内部の空気の流れを制御し、全体に均一な厚みと圧力を確保する特許取得済みのマイクロフィラメント技術により、他に類を見ない構造となっています。事故の検知からバッグの膨張までに要する時間はわずか数ミリ秒です。

D-air®のコントロールユニットとガスジェネレーターはハンプ内部に配置されており、転倒時にはLED警告灯が作動します。これにより、特に雨天時などでライダーの視認性が向上します。

革新性、プロテクション、そして動きやすさ
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D-air®エアバッグは、単なる保護装置ではありません。このスーツには、肘と膝に硬質コンポジットプロテクター、肩と腰にソフトプロテクターが組み込まれています。

さらに、スライダーに加えて、肩・肘・膝の外側にはチタンプレートが配置されています。これらは内部プロテクターとは異なる役割を担っています。

内部プロテクターの主な役割は、転倒時に生じる衝撃エネルギーを吸収することです。これらは常に改良が重ねられ、1970年代からDaineseのスーツに採用されてきました。

一方、金属製プレートは2000年代初頭に導入されました。その目的は、転倒時に最悪のシナリオとされる「転がり」を防ぎ、スライディングを促進することにあります。転がりはさらなる衝撃を生むため、極力避ける必要があります。

転がりは、アスファルトとの摩擦が大きい素材が路面に引っかかることで起こる場合があります。その点で、金属、特にチタンは最適な素材です。

チタンは摩擦によって生じる高温にも劣化せず、プラスチックなどと比べて摩擦係数が低いという特性があります。ただし、スーツ全体を金属プレートで覆うことはできません。最も露出しやすい部位に戦略的に配置し、ライダーの動きを妨げない形状であることが求められます。

動きやすさの面で重要な役割を果たすのが、背中、腰、肩甲骨部分に配置されたトライアクシャル・ストレッチシステムです。これはレザーとストレッチ素材を組み合わせたパネルで、複数方向に伸縮し、弾性と耐摩耗性を一つの要素で両立しています。

内腕、股部、膝裏といった露出の少ない部位には、ケブラー製のテクニカルストレッチ素材が使用されています。また、脚部下側はAxial D1モデルなどのINブーツを装着できる設計となっています。

マルコ・ベッツェッキのDaineseレーシングスーツは、単に革を縫い合わせただけのものではありません。D-air®システムをはじめ、チタンプロテクターや、一見シンプルながら不可欠なストレッチパネルに至るまで、数十年にわたって開発・洗練されてきた革新的技術が凝縮されています。

これらすべては、ライダーがサーキットとマシン以外のことを気にすることなく、自身のポテンシャルを最大限に発揮できる理想的な環境を提供するためのものです。

ダイネーゼAGVジャパン編集部のアバター

ダイネーゼAGVジャパン編集部

ダイネーゼAGVジャパン編集部は、イタリア発のモーターサイクルウェアブランド「Dainese(ダイネーゼ)」およびヘルメットブランド「AGV(エージーブイ)」の日本正規輸入元として、製品情報・アスリートのインタビュー・ブランドの今を発信する編集チーム。 ビギナーからエキスパートまで、ライダーの安全性を最優先にした情報提供を行っています。

2026年2月7日公開
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