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ツーリング

アフリカツインで砂漠を走る:モロッコ・エピックツアーの8日間1,500kmオフロード体験

公開日:2026年2月7日
執筆者:ダイネーゼAGVジャパン編集部
モロッコでのエンデューロ走行

Antonio Romero Tejeiro

著者

12歳のとき、初めて手にしたオートバイはMontesa Cota 49でした。50年前はGPSという概念すら存在していませんでしたが、それでも私は田舎道を200km、時にはそれ以上走る旅に出ていました。
16歳でMontesa Enduro 250へと大きなステップアップを果たし、当時すでにオフロードへの強い志向があり、アスファルトは短い区間を走るためのものに過ぎませんでした。
この25年間、「Desorientados」という名のもとに数多くの旅やイベントを企画し、ポルトガル、フランス、イタリア、モロッコ、モーリタニア、セネガルで“道に迷って”きました。今は時間に余裕があり、モーターサイクルと家族という二つの情熱を両立させながら生きています。ヘルメットをかぶれなくなるその日まで、きっとこのスタイルは変わらないでしょう。

アラームが鳴ります。出発の時間です。参加者たちは早朝から到着し、バイクは何時間も前から待機状態。テクニカルチェックに向け、すべてを整えなければなりません。

2022年のAfrica Twin Morocco Epic Tourは、エンデューロバイクで砂漠を走るための組織的なツアーで、数か月前から準備が進められてきました。そして今日、ついにその全貌が動き出します。
初対面の顔も、見慣れた顔もあります。ハグ、写真、笑い声、そして出発への大きな期待。8kmの「プロローグ」は、ガイドが参加者のスキルを見極めるためのものです。この砂地のトレイルはルートの中でも最もテクニカルで、グループ分けを行う絶好の機会になります。夕食前に公式プレゼンテーションを行い、その後は就寝です。

出発準備完了 ― 第1ステージ

夜明けとともに、パルクフェルメはすでに活気に満ちています。各ガイドは自分のグループを円陣に集め、第1ステージの説明を行います。
常連組も、初めてEpicに参加する初心者も、表情はさまざま。待ちきれない人、不安そうな人、胸が高鳴っている人もいます。「マウンテン・オアシス」と名付けられたこの最初のステージは周回コースで、序盤は易しく、距離が進むにつれて徐々に難易度が上がります。ガイドが参加者のレベルを見極め、各グループができるだけ均質になるよう調整するための重要な機会です。

砂漠を前にして

砂漠を前にして

砂漠に潜む罠

舗装路を少し走った後、第1ステージが始まります。砂地のうねるような道は、Africa Twin Morocco Epic Tourの楽しさを凝縮したものです。
最初の砂の川を、できるだけ直線的で難易度の低いラインを探しながら渡り、ふと振り返ると誰もついてきていません。参加者の何人かは、この少しテクニカルな区間の入り口で止まり、数台は転倒し、別のラインを試した人たちはかえって難しい状況に陥っていました。
私はバイクを降り、彼らを助けに向かいます。私はグループ5のリーダーですが、この時点で、今回のエディションは例年以上に厳しく、何度も倒れたバイクを起こすことになるだろうと悟りました。

その後、給油ポイントまでは特に問題なく進み、周囲の景色を楽しめるトラックが続きます。アルニフで給油し、疲れが出始めたメンバーのためにコーラを飲んで気分転換。
各休憩ポイントで会話を交わし、アドバイスを交換するうちに、私たちは少しずつ、弱さを隠すための“鎧”を脱いでいきます。

この第1ステージは難易度が中〜低と評価されていましたが、それでも体力は非常に重要です。大きくて重いバイクで長時間オフロードを走り続けることになりますし、モロッコは遅かれ早かれ、誰に対しても容赦なく試練を与えてきます。

“テーラーメイド”体験のためのプログラム変更

ピクニック会場に到着する直前、長い砂地の区間で「今日はもう十分だ」と判断し、舗装路でホテルへ戻る参加者が出てきました。その結果、ルートの残り3分の1は「次回のお楽しみ」に。
個人的には、まさに誰もが思い描く砂漠の姿を見られる、美しい区間だと思います。果てしなく続く空間、長さの見当もつかない平原、点在するアカシアの木々、そして遠くに見えるヒトコブラクダの群れ――私たち外国人の多くは、ついラクダと呼んでしまいますが。

一方で、まだ走り続けたいメンバーもいました。私は彼らのEpicな楽しみを止めるつもりはありません。
そこでピクニック中にグループ4のガイドと話し、彼らを引き継いでもらうことにしました。他のグループにも、その日の走行を切り上げ、ロードでステージを終えることを選んだ人たちがいます。こうして全員が満足し、ツアーを最大限楽しめる形になりました。

ホテルに戻ると、プールサイドで、マッサージルームで、あるいは空になったグラスが並ぶテーブルを囲んで、誰もがその日の体験を語り合います。
毎晩の夕食後には翌日のステージに関するブリーフィングが行われ、同じ内容の資料がWhatsAppでも配信されます。全員がルートの特徴を把握し、次に待ち受けるものへの準備ができるようにするためです。

このブリーフィングの前には、スタッフ全員が集まりミーティングを行います。医療チーム、バイクガイド、映像・写真チーム、メカニック、車両ドライバー、ピクニックのケータリングチーム、Hondaスタッフ、そしてEpic Tourディレクター。
40人以上が、その日の出来事と翌日のステージを確認します。参加者とゲストに心から楽しんでもらうこと、それが私たちの前提です。さらに毎晩、5人のバイクガイドだけで、翌日に向けた専門的な打ち合わせも行います。

即応のスペアパーツ、サポート、食事…すべてが揃う体制

再びアラームが鳴ります。夜明けです。砂漠でエンデューロを楽しむ、また素晴らしい一日が始まります。
朝食後、参加者はパルクフェルメへ向かい、自分のバイクを確認します。メカニックたちは毎朝数時間をかけ、すべての車両が次のステージに挑める状態かをチェックします。転倒で壊れたハンドガードやミラー、パンク修理なども定期的に確認されます。
ステージ中はサービスカーがフルセットのタイヤを積んで同行し、パンクがあればすぐ新品に交換できます。さらに重度の修理に備えたスペアパーツも必要です。どれほどガードを装着していても、激しく転倒すれば、どこからともなく現れた岩がクランクケースを傷つけるものなのです。

毎日の豪華なピクニックを準備するチームは、バン2台と6×6トラック1台で移動し、選ばれた場所にU字型に車両を配置します。風が吹いても快適に食事ができ、車両自体が日陰になるよう工夫されています。
2張りのテントにはミスト噴射式ファンが備えられ、モロッコ特有の高温から私たちを守ります。最大で3グループが同時にテーブルにつける設備です。

参加者はここでジャケットを脱ぎ、ブーツを緩め、冷たいドリンクで喉を潤します。ハムとチーズの前菜、ソーセージの盛り合わせ、チップス、スープ、さらにはひよこ豆入りトリッパまで用意され、メインディッシュを待つ間にしっかりエネルギー補給。
フルーツ、スイーツ、コーヒー、キャメルバッグ用の新鮮な水も揃っています。ただし昼寝は禁止。日陰は快適ですが、先へ進まなければなりません。

砂丘だけでなく、岩場も

砂丘だけでなく、岩場も

極限環境で求められる準備の重要性

日が経つにつれ、参加者には疲労が見え始め、転倒の回数も増えていきます。幸い、いずれも軽傷で、医療チームがその場で対応できるものばかりです。
また、希望者のために、ホテルでは毎日決まった時間に医療サービスが提供されています。

再びアラームで目を覚まし、夜明けとともに“鎧”を身にまといます。動きやすく、重さを感じさせない快適な装備は、優れたバイクと同じくらい重要です。
Africa Twin Morocco Epic TourのスポンサーであるDaineseは、あらゆるルートにおけるライダーのアクティブセーフティ向上に取り組んでおり、私たちEpicガイドには、過酷な砂漠走行に最適な装備を提供してくれました。そのおかげで常に快適かつ安全に走れます。
実際、初日に大きな転倒をしましたが、この装備のおかげで、旅を続けられなくなるような怪我を避けることができました。

砂漠のような過酷な環境では、衝撃から身を守るだけでなく、最適な温度環境で走れるウェアが不可欠です。丈夫でありながら通気性の高いジャケットが必要で、できれば袖が取り外せるタイプが理想です。下に着るセーフティジャケットが腕を保護してくれます。
パンツも同様に、耐久性と通気性を兼ね備え、必要に応じて開閉できるベンチレーションを備えているのが望ましいでしょう。

今回のような完全オフロードの旅では、足と足首を守るために、純粋なオフロードブーツやアドベンチャーブーツが必須です。足や関節を保護するだけでなく、すねまで覆う高さが求められます。
ヘルメットは、モトクロス用やアドベンチャー用が最適で、バイザーやゴーグル、そしてこの場合は日差しから目を守るためのピークが役立ちます。

暑い環境では特に、ウォーターバッグ付きのバックパックが重要です。十分な水を確保し、必要なときにいつでも飲めること――数時間後にはぬるくなってしまっても――それが脱水症状を防ぐ鍵になります。

華やかなフィナーレ

最終日です。今や家族のようになった全員で記念写真を撮る時間がやってきました。
トラックや4×4、バンが撮影位置につく間、私たちと参加者は砂丘の麓のシェルターで待機し、グループごとに呼ばれて、恒例の写真撮影に臨みます。

ここまで来ると、参加者もゲストもすっかり顔なじみ。お茶を飲む人、軽食を取る人、即席の砂丘チャレンジで互いを鼓舞する人もいます。
KiriamとRodolfoは再び見事なライディングを披露。グループ5からは、勇敢――あるいは無謀――な参加者が砂丘に挑みます。何度も転倒しましたが、こんな機会は二度とないかもしれないと理解し、Hondaのイベントを毎日全力で楽しんできました。これこそが、私たちを象徴するスピリットです。万歳!

写真はどれも素晴らしい出来栄えでした。写真家と映像スタッフは休むことなく働き、最高の一瞬を狙って信じられないような場所に陣取っていました。
ドローンは走行中の私たちを撮影し、写真や動画のための時間も随所に設けられました。難所で立ち往生した場面も、プールでくつろぐひとときも、パルクフェルメでバイクをチェックする瞬間も、常に彼らはそこにいました。

次のEpicでまた会いましょう

次のEpicでまた会いましょう!

いよいよ終わりが近づき、このイベントも幕を下ろします。無事に走り切れたことに安堵し、全ステージを乗り越えた自分を誇りに思う人もいれば、より快適な“休暇”を選び、すべてを体験できなかったことを少し残念に思う人もいます。
それでも、全員が満足し、運営チームはなおさらです。今回のEpicは最も困難で複雑なイベントの一つでした。2022年3月、モロッコに飛び、4×4を借りてルートを下見した時点では、まだコロナ禍の不確実性の中にあり、第4回Africa Twin Morocco Epic Tourが開催できるかどうかも分からなかったのです。

さようなら…それとも、また会う日まで?

締めくくりに、このエディションのロードブックに、私たち全員が書き込んだ言葉を引用したいと思います。
「……この旅は終わりを迎えました。そして、私たちは共に成し遂げたことを、これ以上ないほど誇りに思っています。自分自身を見てください。この冒険に出ようと決めたときのあなたとは、もう同じではありません。今のあなたには、より多くの夢、語るべき物語、そして友人がいます。」

素晴らしい体験でしたよね。あなたは、Africa Twinとともに限界に挑み、自分を超えるための、世界で最高の場所にいました。この体験に完璧なバイクであり、真に本物で、手つかずのモロッコを知るための最高の相棒です。
Hondaを代表し、すべての1kmに注いでくれた情熱に、改めて感謝します。私たちにとっても特別な時間でした。だからこそ、すでに来年の冒険の準備を始めています。
そして今、旅は終わりましたが、次に何が待っているのかを考えずにはいられません。次のツアーでお会いしましょう?

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ダイネーゼAGVジャパン編集部

ダイネーゼAGVジャパン編集部は、イタリア発のモーターサイクルウェアブランド「Dainese(ダイネーゼ)」およびヘルメットブランド「AGV(エージーブイ)」の日本正規輸入元として、製品情報・アスリートのインタビュー・ブランドの今を発信する編集チーム。 ビギナーからエキスパートまで、ライダーの安全性を最優先にした情報提供を行っています。

2026年2月7日公開
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