2020.04.16

背中のプロテクションを進化させる必要性を認識した最初のライダーはBarry Sheeneでした

・非常に速かった分、数多くの転倒も経験したBarry Sheene。彼は背中のプロテクションの改良を依頼した最初のライダーでした。
・最初のバックプロテクターは自然界にヒントを得たものでした。それはロブスターの殻に似ていました。
・キャラミでFreddie Spencerがひどい転倒から立ち上がった時、バックプロテクターの効果が明らかとなりました。
・1980年代から1990年代にかけて、バックプロテクターは進化を遂げました。Kevin Schwantzは最も熱心なユーザーの一人でした
・2000年に入るとプロテクターは軽量化が進み、より効果的でレーススーツに内蔵しやすいモデルに開発されました

新たなニーズ

1970年代終わり、モーターサイクルレースの王者はBrit Barry Sheeneで、言わば2輪のJames Huntでした。

Barry Sheeneは誰もが認める1976年と1977年のチャンピオンで、ライダーとしての才能と常に舞台の中心にいたい人柄も手伝い、サーキット内外問わず脚光を浴びていました。
反抗的なロックスターのイメージとは反対に、Barry Sheeneは安全の重要性を認識していました。

アスファルト上での転倒が絶えなかったこともあり、この分野における前進の必要性を認識した最初のライダーは彼でした。
Britはすでに以前から、背骨を保護する目的でレーシングスーツにラバーフォームを挿入していました。

しかしそれでは十分ではないと、Lino Daineseは察知しました。
より効果的な新しい何か、時速300キロで走行するバイク上でSheeneが安心できる何かが求められていました。

多くの人が、ガラス繊維やプラスチック素材で経験豊富なヘルメットメーカーがソリューションを提供するものと思っていました。
ところが、1979年にDaineseが初のバックプロテクターを披露し一堂を驚愕させました。

そのフォルムと商品名の由来はロブスターの殻。
ラバーフォームの柔らかなレイヤーに、連動する複数のハードプレートを組み合わせて、衝撃の威力を広範囲に拡散させるものでした。


まさに応用科学、そして革命でした。
数年のうちにこれが全ライダーの装備に欠かせないパーツとな ることを、当時はまだ誰も知りませんでした。

実証された効果

最初のバックプロテクターは、すぐには軌道に乗りませんでした。

新しいギアとなると、それが特に重装備になる場合、ご存知の通りライダーは保守的で懐疑的になりがちです。
ところが1984年、全員を説得する事件が起こりました。
南アフリカのキャラミで開催された世界選手権でのことです。

練習中にFreddie Spencerがカーボン製ホイールの後輪のパンクにより転倒し、背中をカーブストーンのコンクリートに強打しました。
観客は最悪の事態を想像し凍りつきました。
ライダーがストレッチャーに乗せられて運ばれる悲しい光景が繰り返されてきたからです。

しかし、このアメリカ人はDaineseのライダーであり、背中用のプロテクションを採用していた数少ないライダーの一人だったのです。
Linoの強い希望でこの日初めてプロテクターを着用しており、そして立ち上がったのです。
打ちのめされながらも立ち上がることができたのです!

こうして新しいプロテクターの効果が実証され、Fast Freddieを真似しようとライダーが詰めかけました。
バックプロテクターは軌道に乗り、瞬く間に大ヒットとなりました。

1984年は、モーターサイクルレースのプロテクションにおけるターニングポイントとなりました。 Daineseのバックプロテクターは、世界選手権のサーキットでもストリートでも普及し、一般のバイクファンにも着用されるようになりました。
これがモーターサイクルスポーツのために特別にデザインされた最初のボディプロテクションとなります。

そこから進化が始まりました。

進化

改良されたセカンドバージョンはBAPと呼ばれ、1993年に登場しました。
最初のアンバサダーはKevin Schwantzでした。

バックプロテクターの価値は、着用により生じる僅かな不便さに比べると、一目瞭然でした。
その不便さは安全性の対価として捉えられるようになり、プロのライダーたちはむしろ安全性を得たことで限界の先を目指し、ライディングに全力を費やすことができるようになりました。

Kevin Schwantzはイタリアのモルヴェーナにある研究所を訪れた際、複合プロテクションのクラッシュテストを目の当たりにし、衝撃の威力をどれだけ吸収するか実感しました。

1998年のバックプロテクターSpaceは、2002年に登場するWaveへの架け橋となりました。
Waveの形状はアルマジロの甲羅からヒントを得たもので、軽量のラバーフォームのレイヤーに、中間のアルミ製のハニカム構造と、アルマジロの甲羅のようなウェーブ状のプラスチック製アウターシェルを組み合わせてありました。

通気性、軽量感、プロテクションにおいて、新たなレベルに到達しました。

バックプロテクターWaveはアルミのコアにより軽量化を実現し、ハニカム構造を採用することで高い衝撃吸収力を確保していました。
すぐにValentino Rossi、Max Biaggi、Troy Baylissなど世界選手権レベルの多くのライダーがレースで着用し、そのクオリティとレーシングスーツとの補完効果を満喫しました。

12年経過しても最先端であり続けたものの、2014年に新しいManisが登場します。
Manisも自然界に着目して、硬い鱗で守られたセンザンコウというレアな哺乳類からヒントを得ています。
当然イノベーションに不足はなく、背中のカーブに沿って曲がり伸縮する特殊なジョイントにより、人体とその動きに適応可能なものでした。

2016年、WaveとManisは新しいテクノロジーとなるPro Armorでさらに強化されました。
この新しいプロテクターは、自然界で複雑な構造を生み出すフラクタルの原理に基づいています。
もはや複合プロテクションではありません。

素材そのものを通して衝撃力の一部を熱として拡散する炭素系エラストマーを使用しているからです。
表面の43%にパンチングメッシュ加工が施され、通気性とエアフローにおいて新記録を樹立するものでした。
Pro Armorのパネルを連結する特殊なバンドが動きやすさを保証し、背骨の自然なカーブや動きに沿うこと可能となりました。


その次は2019年のPro Speedでした。

すでに採用されていた超軽量アルミ構造とサイドのジョイントに、最強の衝撃でも吸収可能なEPPのレイヤー(ヘルメットのEPSに類似)を組み合わせて最新にアップグレードすることで、以前にも増してさらにハイレベルへと移行しました。
表面の28%にパンチングメッシュ加工を施し、高い通気性も確保しています。

現在のシリーズは、Waveの軽量感からPro Armorの通気性、ManisのガードからPro Speedのテクノロジーまで、あらゆるニーズにベストなソリューションを提供できるようにデザインされています。