2020.07.14

D-air®、"ガス”が”プロテクター”に変わる瞬間

世界が初めてエアバッグの存在を知ったのは1950年代、アメリカで最初の特許が登録された時でした。
市販車に搭載されるまでには、さらに20年がかかり、実用化され始めたのは1973年。
これによりアメリカの自動車メーカーは、この分野のパイオニアとなりました。

それからさらに20年後の1994年。リノ・ダイネーゼは、モーターサイクルの安全性をさらに上げるため、次に何が必要になるかを見据えていました。
ライダーたちが、自分だけのエアバッグを手に入れる時が来たのです。

車用エアバッグの仕組み

車用エアバッグはとてもシンプルな構造をしています。
事故の場合には、衝撃が加わると、1つまたは複数のバッグが低圧で膨らみ、車内のあらゆる物体を包み込むように作動します。

車が他のものにぶつかった際の衝撃が、エアバッグの作動スイッチをONにします。エアバッグの目的は、ドライバーと車内の危険な部分(ハンドルなど)のあいだに配置することで、さまざまな傷害から守ることです。

自由に膨らむエアバッグを使用することで、「ドライバーから車を守る、つまり車にぶつからないためのシステム」になっています。

身体の周りに、3次元のエアバッグを搭載

このような従来の車用エアバッグの概念を、モーターサイクル、及び身体に適用するためには、視点を変える必要がありました。

ここでは、自分の車だけでなく、予測不可能な外部の衝撃から、ライダーを保護する必要があります。
そして、最も重要なことは、衝撃を受ける前にプロテクションを作動させなければならないということです。

D-air®のリサーチ&ディベロップメント(R&D)プロセスの中で、ダイネーゼは、乗り越えるべき2つの障害と、重点を置くべき2つの分野があると考えました。

まずは、システムの”頭脳”をゼロから開発する必要と、衝突時のさまざまなダイナミクスを認識し、システム全体を必要な時にのみ作動させることができるアルゴリズムと制御ユニットを作成する必要がありました。

R&Dチームは、ライダーの身体を"シールド"のように守ことができる、システムの心臓部・3次元エアバッグを開発に取りかかったのです。

システム全体がライダーの身体にフィットすることを考え、衝撃を予測するという新しいロジックを生かす。
ダイネーゼは、エアプロテクションの基本原理はそのままに、コンセプト全体を再構築しなければなりませんでした。

バイクウェアに内蔵された”頭脳”

ダイネーゼのエアバッグシステムは、ジャケットやスーツなどのバイクウェアに組み込まれており、センサー、ジャイロスコープ、 加速度計、毎秒1000回データを分析する電子制御ユニットを使用して、危険な状況を自ら識別し、身体のもっとも弱いな部分をカバーする"プロテクター"としてのエアバッグを作動させます。

現在、ダイネーゼのアルゴリズムは200万km以上の経験に基づいており、制御装置の開発は日々おこなわれています。

 

ダイネーゼが製品開発の柱としてきたことの一つに、人間工学があります。

いくら効果的であっても、重く不快なプロテクターでは、ライダーを納得させることは難しいため、問題の解決にはなりません。
もちろんエアバッグも例外ではなく、実際に最新のコレクションはこのニーズに応えるかたちとなりました。

エアバッグは目に見えないプロテクターであり、本当に必要とされるまでは気づかない。それが理想なのです。

D-air®の心臓部であるエアバッグ

ダイネーゼのD-air®は、エアバッグの概念に革命をもたらしました。

D-air®は、マイクロフィラメント技術(特許取得済み)を使用して作られており、ダイネーゼの研究開発チームが考案した、エアバッグ内の空気の流れを制御する唯一の方法です。

マイクロフィラメントはエアバッグの壁をつなぎ、各ポイント5cmという一定の距離を保ちます。
また、エアバッグ内の空気の移動を防ぐことで、エアバッグが変形せず、エアバッグの表面全体に均一な圧力を維持します。

その結果、膨らませた風船のように、衝撃で変形することがなく、シールドとなって均一に保護することができます。
空気は動かないため、エアバッグの各部分の形状や圧力を変えることはなく、全域にわたって5cmの高さで変形することはありません。

また、マイクロフィラメントにより、エアバッグ自体が設計された立体的な形状となり、傷つきやすい体の部分をカバーし、圧力がかかっても変形しないようになっています。
これが従来の車用に代表される「膨らむ」だけのエアバッグとのもっとも大きな違いであり、安全性の向上に大切なものと考えています。

エアバッグは、第一に、デバイス自体がライダーを傷つけないように、そして第二に、従来のプロテクターよりも高いレベルの安全性を提供するために作られています。

膨らませたとき、エアバッグはハードシェルプロテクターよりも、多くのエネルギーを吸収することができる"シールド"として機能します。

厚さを5cmに抑えて効果的に保護するためには、エアバッグ内部の圧力制御が基本です。
エアバッグの内圧は、モデルによって1.25~1.75気圧の間で変化しますが、これほどの圧力があって、初めて保護するのに十分であると言えます。

このレベルの圧力により、D-air®は他のどの装置よりも優れた保護力を発揮し、従来のレベル1のバックプロテクター7個分の衝撃力を吸収します。

一般的なエアバッグと D-air® の違いは大きく、マイクロフィラメント技術を使用していないエアバッグは、内部の空気の流れを制御することができないため、均一に膨らみません。

またD-air®は、エアバッグの2つの生地のあいだの距離が一定に保たれることから、あらゆる点で衝撃吸収性が向上します。

認証

Dolomiti CertやTUVなどの外部機関からの認証は、ダイネーゼの優れた保護品質を裏付けるものです。

最新世代のD-air® Roadは、レザーなどのハードシェルを装着しなくても、エアバッグ単体で認証を取得しています。

スマートジャケットは胸部でレベル2、背部でレベル1を達成しており、他のD-air® Roadおよびレーシングウェアはレベル2の認証を受けています。

D-air®は見えない

エアプロテクションは、必要な瞬間まで目に見えない無形のものです。
25年以上にわたりエアバッグを研究してきたダイネーゼの経験から、プロテクションと人間工学、両方を備えた製品が完成し、一見しただけではD-air®付き/無しの製品を見分けることは困難でしょう。

たとえば同じモデルでD-air®搭載ありと搭載無しでは、重量の違いはわずかで、快適さと自由な動きを提供する点では全く同じです。
空気を入れていない状態では、エアバッグは衣服の中に完全に組み込まれています。

もっとも新しいステップは、D-air®の技術を凝縮した、安全で軽量、汎用性の高いベスト「スマートジャケット」です。

どんな服装にも合わせやすく、どんなロードユースにもマッチするウェアです。Dainese D-air® エアバッグは、数十年にわたる研究の成果です。
エアプロテクションのコンセプトから、ダイネーゼはこれまでにないほどライダーを保護するプロテクターを開発しました。

ダイネーゼのエアバッグは、機能するために必要不可欠な、動きやすさと軽量さを兼ね備えています。

さらに詳しく知りたい方は

スマートジャケットの詳細は、以下の特集ページにまとめられています。

Smart Jacketの概要
Smart Jacketの使い方について
Smart Jacket 17の優れた特徴について
Smart Jacket よくある質問について